12歳アイドル卒倒「ヘリウム事故」で何がおきていたのか…学会も注意喚起

 脳空気塞栓症はダイバーによくみられる症例だ。潜水障害に詳しい山見医院副院長の山見信夫医師によると、ダイバーが息を止めて急浮上すると、水圧がかかっていた肺の中の空気が一気に膨張。肺胞破裂から塞栓症に至る。「重症化するケースの多くは水深5、6メートルからの急浮上が原因になっている」と話す。

事故は12年で32件

 日本中毒情報センターの調査では、平成13(2001)年4月からの12年間でヘリウムガス吸引による事故は32件あり、半数の16件で意識消失、気分不良などの症状が出た。

 32件のうち26件は、風船用のガスで起きた。ヘリウムは空気より軽いため、風船を膨らませるのによく利用されるが、風船用ガス缶はヘリウム100%で酸素が含まれていないことが多い。声を変えるために吸い込むと、酸欠状態に陥る危険があるのだ。

 ただ、酸素を含んだ変声用でも、これまで5件(残る1件は不明)の事故があったという。

販売方法も検討

 同学会は成人にしか販売しないといった対策に加え、「1回の吸引時に排出されるガスの量や圧力の調節が必要ではないか」と問題提起。一気にたくさんのガスが吸い込めないよう、苦みや異臭をつけることも提案した。これを受け、国内の販売会社では対象年齢を10歳以上から15、16歳以上に引きあげる動きが出ている。

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