主張

火山と暮らし 「学び」が備えの第一歩だ

 神奈川県の箱根山で6月末にごく小規模な噴火が発生し、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げられた。

 鹿児島県の口永良部(くちのえらぶ)島(屋久島町)の新岳(しんだけ)は爆発的な噴火から1カ月余が過ぎたが、火山活動は収まらず、全島民(86世帯137人)の避難生活が続いている。

 「早くふだんの生活に戻りたい」というのが、住民に共通する切実な願いだろう。しかし、火山活動の収束時期を予測するのは難しい。安全を最優先に、活動の長期化も視野に入れた防災対応と住民への支援が求められる。

 一方、昨年9月の御嶽山(おんたけさん)噴火を教訓とした改正活動火山対策特別措置法が1日に成立した。自治体や観光業者に避難計画の策定が義務づけられ、常時観測の対象は47から50火山に増える。

 最も大切なことは、火山防災を自治体や業者まかせにせず、住民が主体的に火山に向き合い、噴火に備えることだ。

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