赤字のお仕事

フライパンに油を「敷く」? 「引く」?

 江戸っ子は「ひ」の発音ができず、「し」と言ってしまうという話をよく聞きます。「東」は「しがし」、「股引(ももひき)」は「ももしき」、「風邪をひく」は「風邪をしく」など。タクシーで「日比谷(ひびや)まで」と言ったら、「渋谷(しぶや)」に着いたなんて話もあります。

 一方、関西では「し」が言えないで、「ひ」と発音してしまうらしい。「七五三」が「ひちごさん」、「質屋」が「ひちや」、「北斗七星」が「ほくとひちせい」などと。嘘か本当か大阪の質屋さんには「ヒチヤ」と書かれた看板が掲げられた店もあるとか。

 今回の「赤字のお仕事」は「ひ」と「し」の混同についてです。

 過日、本紙のあるコラムの校閲作業中、こんな表現に出合いました。

 「油を敷いたフライパンに納豆を入れる」

 一読目は素通りしてしまいましたが、読み返してみたとき、あれ、油って「敷く(しく)」、「引く(ひく)」どっちだったっけ?との疑問がわいてきました。

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