これは23年の「理容の施設と美容の施設とはそれぞれ別個に設けなければならない」という局長通知によるもの。
「ひげそりの技術を習得していない美容師がひげそりを行う可能性が高まる」「刈り込み技術を学ばない美容師が刈り込みをしたら虎刈りとなるおそれが高い」。厚労省は規制の理由をこう説明する。
だが、規制改革会議の作業部会で、「資格がある人とない人が同じ場所で一緒に働くケースはどんな世界にもある。わざわざ職場を別にする必要は全くない」などの意見が出て、今回の答申に至った。
もっとも両方の資格を持っている理容師や美容師はそれほど多くないという。10年ほど前から規制緩和を訴えてきたヘアカット専門店「QBハウス」を国内外で展開するキュービーネット(東京)の松本修管理本部長は「撤廃にはほど遠い。今までのゼロ回答に比べ、ほんの少し反応があった程度」と指摘し、政府にさらなる緩和を求めている。