論争に決着をつけたのがこの通知だ。当時の業界団体同士が話し合い、「美容院では、パーマを伴うカットは男女を問わず認めるが、男性のカットのみは認めない。理髪店では、男性の仕上げパーマは認めるが、女性のパーマは認めない」との内容で合意。通知に反映されて現在に至っていた。
■安倍首相も美容院でカット
だが時代は流れ、通知は実際には有名無実化。安倍晋三首相が美容院でカットしていることは知られているし、東急電鉄(東京)が昨年実施したアンケートでも、「美容院、理髪店のどちらを利用するか」との問いに、男性の20代以下では73.6%、30代では54.4%が美容院と回答していた。
規制改革会議の作業部会では「実態に全く合っていない」「男性と女性によって分けるなんてあり得ない」との意見が相次ぎ、答申で今年度中に厚労省が規制を撤廃することとした。■両方の資格あれば同じ職場で勤務可能に
一方、昭和23年の「理容師と美容師は同じ場所で働けない」とする規制も、全員が両方の資格を持っていれば来年度から認め、改正後5年をめどに再検討することになった。