浪速風

またしてもバブルがよぎる…司馬遼太郎さんの遺言

司馬遼太郎さん
司馬遼太郎さん

司馬遼太郎さんの最後の原稿はバブルの清算である住専問題に関するものだった。「その始末の痛みを通じて、土地を無用にさわることがいかに悪であったかを(略)国民の一人一人が感じねばならない。でなければ、日本国に明日はない」(平成8年2月12日付本紙「風塵抄」より)。遺言のように聞こえた。

▶27年分の路線価が公表された。大阪は2年連続、京都も上昇に転じた。ミナミや祇園など繁華街の伸びが大きい。外国人観光客の増加、とりわけ中国人客の「爆買い」の影響で、空き店舗はすぐに埋まり、賃料も上がっている。中心部のマンションは投資目的もあって富裕層に人気という。

▶取り越し苦労かもしれないが、またしてもバブルがよぎる。以前と異なるのは二極化である。都心回帰の一方で、郊外や地方では人口減、高齢化が進む。全国で820万戸という空き家の増加も深刻な問題だ。この国にはいつになっても有効な土地・住宅政策がない。