防衛最前線(35)

90式戦車 「北の守り」の傑作、戦車不遇の時代もなお国防の要

 標準主砲は44口径120ミリ滑腔砲。照準具安定装置や熱線映像装置、各種センサーと連動したデジタル計算装置などを備え、悪条件でも高い命中精度を誇る。前モデルの74式に比べて射撃の際の属人的要素が大幅に排除されたことから、「射手のレベルが落ちる」との懸念が出たほどだ。

 74式までは弾を手動でこめていたが、90式では自動装填装置を備えた。これに伴い、乗員は4人から3人に削減。効率的な人員配置も可能になった。最高速度は74式の時速53キロから70キロに跳ね上がった。

 防御力にも優れる。砲塔と機体の装甲には新素材の複合材を採用して耐弾性を向上したほか、側面防護のため「スカート」を装備するなど生存性を高める工夫が施されている。

 22年には、より軽量で打撃力、防御力に優れる10式が登場した。ハイテク電子機器を満載し、高い射撃の命中精度を誇る。陸自戦車としては初めて、C4Iシステムを搭載。他の戦車や普通科(歩兵)部隊と情報を共有し、瞬時に味方と敵の位置を識別して連携の取れた作戦行動が可能になった。

会員限定記事会員サービス詳細