相次ぐ薬の包装誤飲事故 切り離しシートで損傷

相次ぐ薬の包装誤飲事故 切り離しシートで損傷
相次ぐ薬の包装誤飲事故 切り離しシートで損傷
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 高齢者らが薬の錠剤を包装シートごと飲み込んで、のどや食道を傷付ける事故が後を絶たない。製薬各社はシートを小さく切り離せないようにするなど防止策をとっているが、薬を飲む患者自身や家族、医療スタッフなどがハサミで切り分けることで事故が続いている。厚生労働省は製薬業界に改善を求めており、飲み込んでも安全な錠剤包装の開発も進んでいる。(平沢裕子)

全身麻酔で摘出

 大阪府の50代の女性会社員は2年前、温泉宿でうっかり高血圧薬の包装シートを飲み込んでしまった。薬と包装シートを持った手を間違えたのが原因だ。自分で吐き出せず、大学病院を受診。全身麻酔をして内視鏡と鉗子(かんし)を使って摘出した。包装シートは食道の粘膜に刺さっていたという。

 欧米など海外では、処方薬は薬瓶が主流。しかし、日本では、薬を保護するため1錠ずつプラスチックにアルミなどを貼り付けた「PTP(Press Through Package)包装シート」に収められているのが一般的だ。

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