〈フィナンシャル・タイムズ初代東京支局長として来日したのが東京五輪が開催された昭和39(1964)年だった〉
オックスフォード大学在学中に米国やソ連など世界を訪ねました。どの国も半日あれば把握できましたが、日本だけは例外でした。1940年代後半から60年代前半に急速に発展した日本人の行動の源がどこにあるのか。それを知りたくて日本に来ました。
高度成長の入り口にあった日本に暮らすうちに日本が好きになりました。巨大なロケットが発射されたように急速に動き出す。そんなミステリアスな魅力がありました。半世紀で10回ほど離れる機会がありましたが、その度日本のすばらしさに触れてとどまりました。
文化が素晴らしい。エズラ・ボーゲルは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と著しましたが、「ジャパニーズ・カルチャー・アズ・ナンバーワン」と思います。
黒澤明の「七人の侍」などの映画を見て新鮮な衝撃を受けました。19世紀以来、浮世絵に始まり日本建築までジャポニズムは世界文化に大きな影響を与えています。