外信コラム

ガンジスのほとりで ネパール人記者の懸念

 ネパールで、大地震被害からの復興のための国際会議があり、現地で取材した。国際社会から計44億ドル(約5400億円)もの支援が表明され、ネパール政府は大満足だったが、多くの現地記者たちの口から聞こえてきたのは、ひとつの懸念だった。

 汚職である。

 首都カトマンズでは、アジア開発銀行(ADB)、欧州連合(EU)といった機関やネパール政府の代表者が記者会見した。その際にネパール人記者が必ずぶつけた質問は、「支援金はきちんと被災者のために使われるのか」とか「支援金の使途をどう追跡するのか」といったことだった。

 会見場では私まで、記者に「支援国は、これだけのお金を支援してどうもないと思っているのか。正直なところを教えてほしい」と尋ねられる始末である。

 ネパール人は、政治家や公務員の汚職体質を身にしみて知っているらしい。ある国際非政府組織(NGO)によれば、最も腐敗した国を最下位とする指数で、ネパールは175カ国中126番目だ。

 会議をまとめ上げたネパールのマハト財務相は「短期間の準備で会議を成功させた力をもってすれば、汚職も防げる」と語気を強めていた。会議がうまくいったのは確かだ。これからは、その言葉を必ず実行してほしい。(岩田智雄)

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