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慰安婦「強制連行」の否定がヘイトスピーチなのか? 法規制を求める市民団体「宝塚集会」への違和感

 京都市内の朝鮮学校周辺で「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「スパイの子供」などと拡声器で連呼した在特会の街宣活動について、1審京都地裁と2審大阪高裁が25~26年、「人種差別に当たる」として在特会側に対して、損害賠償と学校周辺での街宣禁止を命じ、最高裁が26年12月に在特会側の上告を棄却した。

 こうした司法判断を経て批判が強まったヘイトスピーチ。特定の人種もしくは民族への憎悪や差別意識をあおり、社会から排除するような過激な表現は日本人の美徳にも反し、理解が得られないのは当然だとしても、なぜヘイトスピーチと慰安婦問題をめぐる言論がつながるのか。真意を聞こうと、産経新聞はこの団体に取材を申し込んだ。

 しかし団体代表者の女性は、ヘイトスピーチの定義や慰安婦問題の認識について「チラシに書いていることを読めば分かるはずだ」と話し、「産経新聞がこれまでどんな報道をしてきたのか分かっているのか。話すことはない。当日も会場に入れるわけにいかない」と取材を拒否した。

植村氏の主張は…

 6月6日の講演会当日。宝塚市内の会場には、講演会への抗議活動を繰り広げる市民らが多数駆けつけ、兵庫県警が警備にあたるなど物々しい雰囲気に包まれた。本紙記者は会場で改めて主催者に取材を申し込んだが、入場を拒まれた。

 会場に入った複数の参加者によると、ヘイトスピーチの法規制を求める取り組みの説明に続いて、植村氏が登壇した。

 植村氏は韓国人元慰安婦の証言を初めて取り上げた元朝日新聞記者。3年8月11日付朝刊(大阪版)で、母親にキーセン(朝鮮半島の芸妓・娼婦)に売られた韓国人元慰安婦を「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』」と報道し、慰安婦問題が燃え上がる大きなきっかけとなった。

 記事にある女子挺身隊は戦時下に軍需工場などに動員された「女子勤労挺身隊」を指すが、慰安婦とはもともと無関係だった。