自民勉強会の失策で揺れる安保法案 肝心の議論は「堂々めぐり」 考え方の根本は与野党で大差ないのに

 自民党の若手議員勉強会「文化芸術懇話会」の失態を受け、野党は週明けの安全保障関連法案の国会審議でも、徹底的に問題を追及する構えだ。だが、野党がこの敵失につけ込むのは、肝心の安保関連法案の議論が「堂々めぐり」になっているからに他ならない。安倍晋三政権と野党の攻防から浮かび上がるのは、「自国防衛なら自衛権行使は認められる」という法案の根幹の考え方には、本質的な差がないことだ。

 政府は集団的自衛権を「自国と密接な関係にある外国への武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力で阻止する権利」と定義している。

 政府が法案で集団的自衛権の行使を可能とするのは、その一部に限定している。他国が攻撃されたことで「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求権が根底から覆される明白な危険がある」という要件を満たした場合であり、「自国防衛」に限って認めている。

 攻撃を受けた他国まで自衛隊を派遣して戦闘するような「他国防衛」を目的とした行使は認めておらず、あくまで「自国防衛」を目的としている。ただ、国際法上はそれも「集団的自衛権の行使」と見なされるため、憲法解釈の見直しと法整備が必要となっているのだ。そういう意味で、法案で示された「自国防衛のための集団的自衛権」とは、日本が直接武力攻撃を受けた場合の自国防衛である「個別的自衛権」に極めて近い考え方といえる。

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