浪速風

首位に不思議の首位あり

盛り上がる甲子園球場
盛り上がる甲子園球場

社内の各部門はどれも振るわない。これまで会社を支えてきた看板商品は売り上げが落ちた。期待された新製品や新事業もなかなか芽が出ない。なのに今季の業績は業界トップである。ならば、経営者の才覚が評価されてもいいはずだが、株主総会では「交代した方がいい」と厳しい声が上がった。

▶阪神タイガースである。打率、ホームラン、盗塁、防御率のいずれもセ・リーグ最下位。得点より失点が72点も多い(25日現在)。それでいて貯金1で首位に立っている。負けるときは大差で接戦をものにする。和田豊監督の采配の妙というより「勝ちに不思議の勝ちあり」がふさわしい。

▶野村克也元監督の名言は、肥前国平戸藩主だった松浦静山の剣術書「剣談」が出典である。「道を貴び術を知れば心勇ならずと雖(いえど)も必ず勝つ。道に背き術に違えば必ず負く」。勝ってもおごることなく努力せよと教える。「順位より一つ一つや」と慎重な和田監督が一番ご存じのようだ。