論戦安保法制

政府・自民、火消しに躍起 谷垣氏「祈るような思い…」 法案審議への影響懸念

衆院平和安全特別委員会で民主党の岡田克也代表の質問に答えるため挙手する安倍晋三首相=26日午前、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)
衆院平和安全特別委員会で民主党の岡田克也代表の質問に答えるため挙手する安倍晋三首相=26日午前、国会・衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)

 政府・自民党はこの日、党若手議員の勉強会「文化芸術懇」で出た報道批判など「軽率発言」の火消しに追われた。衆院憲法審査会の参考人質疑に続く「オウンゴール」。党幹部は安保関連法案審議のさらなる遅れを懸念し、これ以上の不規則発言が飛び出さないように、若手議員らにテレビ出演の自粛を促す検討も始めた。

 「冷静に発言してほしい。祈るような思いだ」

 自民党の谷垣禎一幹事長は26日の記者会見で、こう語った。国会会期を大幅延長し法案審議が仕切り直しになったばかりだけに、党内に漂う緩みを苦々しく感じたようだ。

 安倍晋三首相は衆院平和安全法制特別委員会で、報道の自由を尊重する姿勢を強調した上で、発言者の処分について「党の私的な勉強会だ。発言をもって処罰することがいいのか」と否定的な見解を示した。菅義偉官房長官は記者会見で「事実だとすればどう考えても非常識だ」と述べた。

 政府・与党にとって、安保法案の審議にこれ以上影響が出ることを避けたいところ。佐藤勉国対委員長は勉強会の代表を務める木原稔青年局長らを国会に呼び出し、「首相の応援団が後ろから鉄砲を撃ってどうするのか。結果はそうなっている」などと注意した。

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