「被害者1人でも死刑を」署名活動した母親 死刑容認派は8割

 互いに素性も知らない男たちがインターネットでつながり、罪のない女性を殺害した「闇サイト殺人事件」。磯谷利恵さんの母、富美子さん(63)は「嫌なことを思い出させたくない」と、天国にいる娘には死刑が執行されたことを知らせないつもりだ。

 「殺されたのが1人だからといって犯人が死刑にならないのはおかしい」。富美子さんは事件後、被告3人への極刑を求めて署名活動を始めた。連続4人射殺事件(昭和43年)の最高裁判決で示された死刑選択の「永山基準」に基づくと、被害者が1人の殺人犯に死刑判決が下る可能性は低いとされていたからだ。

 署名活動は30万人を超えるほどの広がりを見せ、平成23年版「犯罪被害者白書」には「娘は何の落ち度も関係もないのに、強制的に人生を閉じられ、夢や未来をすべて奪われてしまった」と訴える手記が掲載された。結局、1審では3人のうち1人が無期懲役。2審では2人が無期懲役となり、その後確定した。

 「最後まで戦ったのにショックだった」と話す富美子さんは現在、犯罪被害者の遺族として講演することもあるという。

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