外国人観光客らの利便性向上につなげようと、県が無料の公衆無線LAN「Wi-Fi」(ワイファイ)の整備に本格的に乗り出すことになった。Wi-Fi推進に関する協定をNTTグループと締結。国の地方創生関連の交付金から約2億円を活用し、「和歌山フリーWi-Fi大作戦」と銘打ち、24日から補助金の申請を受け付ける。
県観光交流課によると、県が進める方式で外国人観光客用に整備された無料のWi-Fiは、今年3月末で21カ所にとどまっている。外国人観光客が日本滞在中に不便に感じたこととして、「Wi-Fiの接続環境がない」との声が多いという。
そこで県は、外国人観光客に快適に滞在してもらおうと、Wi-Fi接続環境向上を計画し、ノウハウを持つNTTグループと協定を締結した。
具体的には、県内の宿泊施設や観光施設、商店街など約500カ所と、県内の観光地約50カ所を目標に、機器購入費や設置工事費を補助。1機目については、商店街や事業者は全額、市町村は半額補助となる。今月24日から8月末まで、導入を希望する対象施設などの申請を受け付ける。
一方、今秋の「紀の国わかやま国体・大会」で用いられる紀三井寺公園陸上競技場や県民文化会館、県立博物館など県有12施設についても接続ポイントを新設。設置場所には、Wi-Fiが整備されていることを示す共通のステッカーを貼る。
また、接続後に表示されるホームページでは、地域の観光や防災情報を発信するなど工夫を加える。県は今後、平成28年度末までに接続ポイントを1千カ所まで増やし、30年度末には1500カ所にしたいとしている。
仁坂吉伸知事は「和歌山のWi-Fi整備はとても遅れている。ハード面でもおもてなしを整える必要があり、一気にやることにした」と話した。Wi-Fi整備支援についての問い合わせは、県観光交流課(電)073・441・2787。