軽はずみなネット上のつぶやきが銀行の信頼を揺るがしている。支店にアイドルグループ「関ジャニ∞」の大倉忠義さんら特定の顧客が来店した情報がツイッター上で漏洩(ろうえい)した問題で、りそな銀行が「銀行として致命的」などの批判に見舞われている。もちろん従業員の情報管理は徹底しているが、従業員の家族の投稿という想定外ともいえる事態に再発防止策や処分に頭を悩ましている。(石川有紀)
ネット上で炎上、厳しい意見…株主総会でも
「お客様や関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げます」
6月8日、りそな銀行のホームページに謝罪文が掲載された。
ツイッターへの投稿は同日夕。「関ジャニ∞」の大倉忠義さんや俳優の西島秀俊さんがりそな銀行中目黒支店(東京)に来店したことを同支店で働く母親から聞いたという内容で、「母が帰ってきたら大倉くん情報たくさん頂こう」などとつぶやいていた。
ほかにも大倉さんの住所や西島さんの免許証コピーを入手したなどと書き込まれており、りそな銀は従業員から事情を聴くなど事実関係を調査中だ。
ネット上では「銀行業としては、致命的」「個人情報持ち帰れるって体制がおかしい」「解約してくる」などと批判で炎上する騒ぎになった。りそな銀はクレームや口座解約などの件数は「集計中」として明らかにしていないが、「銀行や社員に厳しい意見が寄せられている」(広報担当者)という。6月19日の株主総会でも株主から対応を問われ、東和浩社長は「信頼回復に努めたい」と発言。社員の倫理教育と情報管理を強化する方針を示した。