ウクライナ情勢をめぐって、米国は政府軍を支援し、ミサイル供与を計画していた。自由と民主主義を掲げ、ロシアの強引なクリミア編入に反対してきた米国にとって、ナチスは許し難い存在だ。米国に入国する際に記入する出入国カードにはいまだに「ナチスの迫害や虐殺に加担していないか」を問う項目がある。
ロシアの一部報道で「アゾフ=ネオナチ」説が喧伝(けんでん)されたことも手伝い、米国ではこの問題が表面化。米下院のジョン・コンヤーズ議員(民主党)が、アゾフへの携行地対空ミサイル(スティンガー)供与と、その訓練を停止させる修正法案を提案、承認された。
アゾフ大隊は「われわれはネオナチではない」と反論している。ただ、その存在がウクライナ情勢をさらなる混迷に陥れている可能性も大きい。