映画オタク記者のここが気になる

世界で奇怪な現象が続発…地球上から人間が消える『レフト・ビハインド』が描く終末とは

 ケイジが演じるのは航空機パイロットのレイ。妻アイリーン(リー・トンプソン)は熱心なクリスチャンで、レイと娘は少々疎ましく思っていた。ある日、レイが操縦するジャンボ機内で一部の乗員乗客が衣服と荷物を残してこつ然と消えてしまう。地上でもアイリーンと息子をはじめ全世界で数百万もの人々が消失していた。この状況下でレイは無事に着陸させられるのか。

 《ここからはネタバレになるので、映画を楽しみたい方は鑑賞後にお読みください》

 この映画の肝は、航空機着陸のスリルより人間消失のミステリーだろう。映画では「エイリアンに誘拐されたのかも」と言う乗客がいるが、実はこれ、聖書にある「携挙」というもので、人類滅亡の大患難の前に神が信仰の篤い人や幼い子供たちを天に引き上げる。信じる者は救われるということか。

 原作はプロテスタントの牧師ティム・ラヘイとジェリー・ジェンキンズが執筆したシリーズ小説。全米で累計6500万部を売り上げ、日本では全12巻が発売されている。映画で描かれた人間消失はほんの一部分で、原作ではレイが改心し、クリスチャンによる組織「トリビュレーション・フォース」が、国連事務総長にまで上り詰める反キリストのニコライと対決する。

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