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2機のヘリコプターが地形の凹凸をはうように飛来し、敵基地付近まで接近。1機がある地点でホバリング(空中停止)を始める。
「降下用意、降下!」
かけ声と同時に、ヘリに乗っていたレンジャー隊員が地上約20メートルの高さからロープで次々と降下する。もう1機のヘリの隊員は、レンジャーが降下する地域の安全確保のため、機関銃での援護射撃に備える。
「こちらレンジャー、降下成功。これより潜入し、後方地域を偵察する」
無事に降下を終えたレンジャー隊員は敵基地後方に姿を消していく。ほどなくレンジャー隊員から敵情を伝える無線が次々と作戦司令部に入る。味方部隊は戦闘を優位に展開し、最後は勝利を収める-。
陸上自衛隊北部方面隊第7師団が、5月末に公開した訓練の一幕だ。もちろん日本有事を想定している。
訓練の中でレンジャー部隊を隠密裏に敵基地付近まで運んだのが多用途ヘリ「UH1J」だ。陸自関係者は「戦時ともなれば最前線への人員・物資輸送で中核的な役割を果たすことが想定されている」と説明する。