石平のChina Watch

国策となった習政権の「日本たたき」 日米同盟亀裂に期待?

 5月23日、中国の習近平国家主席は、日本の国会議員や民間人との「友好交流大会」に突如、姿を現して演説を行った。

 演説の前半で習主席は穏やかな笑顔を浮かべながら「日中関係の発展重視」を語ったが、後半では一転、厳しい面持ちで、日本との「歴史問題」を持ち出し、「歴史の歪曲(わいきょく)は絶対許せない」と口調を強めた。

 本来は「友好」を語り合うはずの交流会で、「歴史の歪曲」とは無関係の日本の一般市民も参加する会で、このような厳しい言葉を浴びせる必要が一体どこにあるのか。

 だが、よくよく考えてみればこれは実に簡単な話だ。「歴史問題」を材料に日本をたたくのは既に、習近平政権の長期的な国策と化しているからである。

 たとえば昨年、習政権の下で中国政府は一気に3つの国家的記念日を制定した。

 中国側の言い分によれば、抗日戦争が勃発した記念日(7月7日)、抗日戦争に勝利した記念日(9月3日)、そして、南京大虐殺の犠牲者を追悼する日(12月13日)の3つであり、いずれも日本との過去の戦争にまつわる記念日である。

 そして、昨年1年間、この3つの国家的記念日に、中国政府はいずれも大規模な記念行事を催し、日本批判の気勢を上げた。