阿比留瑠比の極言御免

民主政権に甘かった憲法学者 「憲法解釈は政治性を帯びる」憲法の専門家を無視したのは民主党のはず?

 ちょっと前の話だが、どうにも気になるので書いておく。5月24日付朝日新聞朝刊の対談記事で、杉田敦法政大教授と長谷部恭男早稲田大教授が語っていたセリフについてだ。

 長谷部氏といえば、憲法学者(参考人)として招かれた衆院憲法審査会で安全保障関連法案を「違憲」と断じ、一躍時の人になった人物である。

 杉田氏「民主主義とは、選挙で選ばれた代表による、いわば期限付きの独裁なのだ-という安倍・橋下流の政治観が支持を広げているようです」

 長谷部氏「(前略)戦後は、全権力が国民に移ったのだから、国民に選ばれた政治家が憲法に縛られるなんておかしいというのが『期限付き独裁』の発想でしょう」

■菅直人氏の独裁論

 両氏は安倍晋三首相の政治観を勝手に決め付けて議論を進めていたが、「期限付き独裁」論は菅直人元首相が盛んに口にしていた持論である。

 いくら何でも菅氏と一緒にされたら、安倍首相もさぞ迷惑だろう。

 菅氏は副総理時代の平成22年3月、参院内閣委員会でこう答弁している。

 「議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めることだ。4年間なら4年間は一応任せると」

会員限定記事会員サービス詳細