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留学先の韓国で、同じ留学生だった未来の夫と出会った文美月さん(44)。価値観が通じるところが多く、出会って1カ月半で結婚を決意することになった。
大柄で色黒の男「おーい、飯行こーぜ」
仲良し3人組による釜山への思い出旅行を終えて、ソウルに戻って数日経(た)ったある日、下宿のおばさんが私にこう言いました。
「大柄で色黒の男が、あんたを訪ねてきたよ。また明日ここに来るって」
「もしかして、李さん?」と思ってはいたものの、翌日、彼はやってきました。しかも時間は朝8時に。
部屋のドアをドンドン叩(たた)き、「おーい。めし行こーぜ」と今にもドアをこじ開けそうな勢い。「ちょっと待って。まだ起きたばかりだってば。こら、ドアを引っ張るな」。何とか近くの喫茶店で待ってもらい、事なきを得ましたが、実は、私の下宿を探し、いくつか下宿を回ったそうです。
とにかく、これが初めて2人でゆっくりと話した日でした。驚いたのは、彼と私の境遇や価値観がほとんど同じだったこと。「日本の学校に通い、高校を卒業するまでは通名(通称名)、その後は本名」。これも同じです。
在日コリアンは、育った環境によって価値観が異なります。