「電子レンジで加熱していたら、庫内や野菜から火が出た」-。国民生活センターなどには、電子レンジの発煙や発火についての相談が平成21年4月~27年3月までに701件寄せられている。電子レンジは日常的に利用する家電の一つだが、使い方を誤れば大惨事を招きかねない。同センターは「庫内の汚れや食品の加熱しすぎに注意してほしい」と呼び掛けている。
庫内から火花、ジャガイモから火…
電子レンジは現在、食品を温めるだけの単機能のもののほか、オーブン機能を組み合わせたものや、過熱水蒸気を利用して調理するものなどさまざまなタイプのものが販売されている。だが、庫内の構造などについてはあまり知られておらず、同センターは「危険性の周知も不十分」と指摘する。
電子レンジは、マグネトロンと呼ばれる真空管から照射される電磁波(マイクロ波)を利用して加熱する調理器。1秒間に約24億5千万回という速さでプラスとマイナスが入れ替わり振動するマイクロ波によって、食品に含まれる水分子を振動させ、このときに発生する熱を利用して食品などを加熱する。
同センターによると、発煙・発火の主な原因としては、電子レンジ庫内の汚れと、食品の加熱しすぎの2点が挙げられるという。