討論

救急車は有料化すべきか

 --海外では救急車を呼ぶと1回あたり数万円かかる国もある

 「無料である日本の救急車は世界に誇るべき制度だ。タクシー代わりに救急車を使う人が、いったいどれほどいるのか。むしろ、救急車が来て大騒ぎになるのが恥ずかしいと、利用をためらう人のほうが多いだろう。それで手遅れになる人が出ないよう『こういうときには迷わず救急車を呼んで』といった啓発活動こそ、まず行うべきだ。不必要に救急車を利用する人に対しては、他者の命を脅かしていることをきちんと伝える必要がある。有料化の前に、やるべきことはあるはずだ」

 --自身が救急車を利用したときは、迷わず呼んだか

 「やはり目立つので呼びにくい、という思いはあった。主治医に電話して症状を説明したら、『早く救急車を呼びなさい』と怒られたこともあった。救急車を呼ぶのを躊躇(ちゅうちょ)するほうが、より問題ではないか。『手遅れにならないよう、もっと救急車を利用しましょう』というキャンペーンを実施するほうが、逆に軽症者に対して不必要な利用をしないようアピールできる。救急車料金が仮に5千円だとしても、経済的に苦しい人は払えない。弱者ほど有料化の影響は大きく、問題だ」

 〈はない・じゅうご〉昭和37年、長野県生まれ。53歳。京都産業大卒。NPO法人「ネットワーク医療と人権」理事、全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人。平成23年から中央社会保険医療協議会委員。

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