討論

救急車は有料化すべきか

無料が国民の安心支える 中央社会保険医療協議会委員 花井十伍氏

 --救急車を利用した経験は

 「個人的には3回、乗ったことがある。私は生まれつき血友病で、出血が止まらず救急車で運ばれて命を助けられた。隊員の方々には感謝の気持ちでいっぱいだ。119番あるいは110番は無料が根付いており、国民の安全・安心を支えてきた非常にいい制度であることは間違いない。救急車を安易に利用する人が増えたことで、一刻を争う重症者の搬送に支障が出るような事態も懸念されているが、それは有料化で解決するほど簡単な問題ではないはずだ」

 --消防庁によると、救急搬送者のうち半分近くは軽症者が占めている

 「必要がない人の救急車利用をどう防ぐかを考えねばならないが、ただちに一律の有料化には反対だ。『基本的に無料』の制度が前提としてあるべきで、搬送後に医師の判断で『救急車が不必要な症状だった』とされた患者に応分の負担をしてもらうことはあっていい。救急車は無料というセーフティーネットが根付いていることは国民皆保険制度に似ている。なぜこうした制度があるかといえば、憲法25条(国民の生存権)に行き着く。軽症者のために重症者を運べないようなら、解決策は2つ。救急車の台数を増やすか、軽症者に遠慮してもらうか、だろう。ただ搬送前に軽症か重症かを判断するのは難しい。事後判断で、軽症者に料金を請求するシステムはあり得るだろう。原則無料に価値があることは強調しておきたい」

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