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ようやく暖かくなったと思ったら、夏のように暑い日が続き、なかなか快適な気候がない気がします。これも地球温暖化の影響でしょうか。
私の外来でも、気候によって患者さんの症状に差があるように思います。急激に寒い場所に出ると血圧が上がることはよく知られていますし、その証拠に冷え込みの強くなる11月あたりから脳卒中や心筋梗塞の患者さんは増えることが多いです。手術の傷も、強く冷え込む季節の方が痛みや不具合を感じる患者さんが多いように感じます。
気候と病気を関連づける歴史は古く、ヨーロッパでは古代ギリシャ時代が始まりといわれています。ドイツのハンブルク気象台では、1952年から「気候と健康に関わる予報」を行っており、日本でも昭和37(1962)年に発足した「日本生気象学会」が気候と健康との関係について研究を進めています。
中でも、痛みには気圧と気温の影響があるといわれています。例えば、関節痛は気圧が下がると関節が膨張気味になるため、痛みは強くなりやすいです。また、気温が下がれば血流が悪くなり、交感神経の刺激が強まることから、痛みをより感じやすくなると考えられています。
片頭痛は、血管の過剰拡張によって起こるといわれており、気圧や気温は無関係とは思えません。手術の傷も、極端に血流が変化すると痛みを過剰に感じるので、気温や気圧と関係がありそうです。病状そのものが極端に悪化しているわけではありませんが、痛みやしびれが強くなると日常生活にも悪影響が出てくるでしょう。