iRONNA発

若者のテレビ離れ 番組の質と選択が無関係な時代 藤本貴之氏

 しかし、少なくとも現段階では、放送法に縛られた許認可業であるテレビ放送が、無限の質的低下や影響力の衰退を加速させることはないだろう。守られた「下限」はあるはずだから、影響力を復活させる猶予も可能性もまだ十分にあるように思う。

 それでもあと数年、あるいは10年程度のスパンで、若者層、あるいはその予備軍である小中学生たちが若者になり、やがて、大人になってゆく。完全にテレビに対する信仰心がなくなっている世代だ。

 そう考えれば、やはり猶予はあるようでない。ただ一つ言えることは、テレビというメディアが今後、模索してゆくべき道は、現在議論されているものとは全く別の視点と方向性、あるいは考え方からしか現れてこない、ということだ。

 あらゆる未来予測はハズれるであろうが、この予測にはちょっと自信がある。

【プロフィル】藤本貴之 ふじもと・たかゆき 東洋大総合情報学部准教授、メディア学者、博士(学術)。昭和51年生まれ。最先端のメディア研究の知見から、企業や自治体などを対象とした情報発信戦略など数々の実践的なプロジェクトを手掛ける。著書に『情報デザインの想像力-イメージの史学-』(現代数学社)、『映像メディアのプロになる!』(河出書房新社)など多数。

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