課題先送り デブリ取り出しは可能か 廃炉工程表改定

 東京電力福島第1原発の廃炉成功のカギを握っているのは、溶け落ちた燃料(デブリ)をどう取り出すかだ。今回の改定では複数の工法案を示しただけで、その実現可能性すら定まっていない。高い放射線量を出すデブリを取り出した後の処理方法も決まっておらず、大きな課題は先送りされているのが実情だ。

 今回の工程表の改定で大きく変わったのは、1~3号機の燃料貯蔵プールにある燃料の取り出し時期が最大3年遅れたことだが、最長40年とする全体の工程への影響はほとんどない。

 これまでは作業のスピードを重視したため、トラブルが頻発。作業員がタンクから落ちて死亡するなど労災事故も連続し、安全見直しのため、全ての作業がストップしたことがあった。工程への執着が逆に作業の遅れを招いた反省から、今回の改定では「全体のリスク低減」を優先する方針に転換したことが、工程見直しの要因だ。

 デブリの取り出しに向けては今年4月、1号機格納容器に遠隔操作ロボットを入れて、内部の様子の撮影に初めて成功した。だが、いまだデブリの様子や位置を特定することができていない。

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