日本の議論

高浜原発再稼働を差し止め(上) 樋口英明裁判長の異様な論理…

 決定文を読んだあと、例えようのない異様さを感じた。緻密な論理と精密な論拠を要求される裁判官が本当に書いたモノだろうかと。関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、福井地裁は4月14日、再稼働を認めない仮処分決定を下したが、この決定文には明らかな間違いが散見された。原発の基礎的知識すら欠いている記述も見受けられた。この判断のウラには何があるのか。(原子力取材班キャップ 天野健作)

審査を見たことがあるのだろうか

 裁判長を務めた樋口英明判事は昨年5月、関電大飯原発(福井県おおい町)の運転差し止め判決を出した同じ福井地裁の訴訟でも、裁判長を務めていた人物だが、この判決は、原発の稼働について一切のゼロリスクを求めるという、科学技術の常識ではあり得ない面妖な論理を持ち出していた。

 樋口判事は、原子力規制委員会の策定した原発の新規制基準を本当に理解しているのだろうか。動画投稿サイト「YouTube」などでも一部始終公開されている原発の審査を一度でも見たことがあるのだろうか。

 高浜原発3、4号機をめぐる仮処分の決定文を読めば、反原発思想に凝り固まって、事実に目を背けているのではないかとさえ思える。裁判官であれ、いかなる思想を持つのも自由だが、事実に目を閉ざし、明らかな間違いを放置することは許されない。司法は裁判官の個人的な信条を実現する場ではない。裁判官の独善的論理がまかり通るようであれば、司法の信頼は確実に失墜する。

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