正論

集団的自衛権は違憲といえるか 駒沢大学名誉教授・西修

 《政策判断上の問題だ》

 「日本は主権国家であり、憲法上、自衛権の行使が否定されていないのならば、なぜ集団的自衛権の行使が認められないのか。国際法上、主権国家として当然に認められている集団的自衛権の行使を認めないというのは、日本は主権国家ではないというのか。集団的自衛権の行使は、なぜ憲法上、許される必要最小限度を超えるのか。憲法上、許される必要最小限度の集団的自衛権の行使はありうるのではないか」。そんな根本的疑問に十分に答えないまま、何十年も過ぎてきたのが現状だ。そしてそこに解釈上の「切れ目」が生じていたわけである。

 私の結論は、次の通りである。憲法9条は自衛権の行使を否定していないのであるから、集団的自衛権の行使は憲法解釈上の問題ではなくて、政策判断上の問題である。ただし、その場合、憲法の平和理念、とりわけ9条1項の冒頭に掲げられている「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」するという国民の尊い願いに沿うものでなければならない。また、行使の範囲については、国会で審議が尽くされるべきである。

 なお、集団的自衛権を合憲、あるいは少なくとも違憲とはいえないという立場をとる憲法学者は、少なからず存在することを付言しておきたい。(にし おさむ)

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