向き合う力

文美月(14)自分の器を作り直したい…韓国留学が「いま」に生きる

【向き合う力】文美月(14)自分の器を作り直したい…韓国留学が「いま」に生きる
【向き合う力】文美月(14)自分の器を作り直したい…韓国留学が「いま」に生きる
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 現在、ヘアアクセサリーの制作・販売会社を手掛ける文美月さん(44)にとって、約20年前の韓国への留学経験は、自分自身の器を作り直す時間にもなった。

「まだ3年でしょ?」

 結婚問題を契機に「自分は何者だろうか」と再び悩み始め、勤めていた日本生命保険(日生、本店・大阪市中央区)に辞意を伝えたとき、ある先輩から言われたことが今も忘れられません。

 「会社は、人材にお金をかけてゆっくり育てているのに、君はまだ会社に何も返さずに3年で辞めてしまうの?」

 確かに、苦労して入った日生を辞めるのは、もったいないことでした。

 「でも、これ以上、ここにはいられない」

 大きいとは決して言えない自分の器に、あふれるくらいの願いを詰め込み、身動きが取れなくなった自分に気づいたからです。とにかく全部下ろして、一旦頭を冷やして、自分の器の基礎工事からやり直したいという思いでいっぱいでした。

 会社には、プライベートで深い悩みを抱えていたことを話すことなく、「結婚します」と言って退職しました。その結婚が「必ずしもすぐではない」とまでは言い出せませんでした。

自らのルーツの重さを確認した「パスポート」

 家族や親しい人は、長く悩んだ末に出した決断を理解してくれました。韓国はキャリアアップよりも、ずっと大切なものがある国でした。それに父も、もう何も言いませんでした。

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