電炉各社で相次ぐ製造拠点集約 長引く原発停止、コスト削減へ苦肉の策

大阪製鉄の大阪恩加島工場=大阪市大正区
大阪製鉄の大阪恩加島工場=大阪市大正区

 関西電力による電気料金値上げの影響で、電炉メーカー各社が今年に入り、関西にある製造拠点の集約を進める動きを加速させている。電炉で鉄スクラップを溶かし、鉄鋼製品をつくる電炉各社にとって、製造コストの約3割を占める電気料金のさらなる上昇は経営上の死活問題になるためだ。東日本大震災後の原発停止が長引く中、コスト削減へ苦肉の策を迫られる。

 大阪製鉄は5月、大阪恩加島(おかじま)工場(大阪市大正区)の製鋼工程の一部を平成28年3月末で休止し、堺工場(堺市堺区)へ集約する方針を決めた。国内の鉄鋼需要は減少傾向にあるほか、関電が4月から実施した事業者向けの電気料金値上げが追い打ちをかけた。

 拠点集約による特別損失は約7億円の見込み。中村たつひこ取締役は、4月の大口向けの再値上げは全国的に関電管内にとどまる問題であるため「製品価格への転嫁をお願いしようにも、理解される状況にない。競争上厳しい」と苦しい胸の内を明かす。震災前に比べ電力コストは6割増といい、将来の生き残りをかけるには今回の選択肢が「全体の製造コスト削減につながる」と判断することになった。