浪速風

強制移住はごめんだ

わが故郷は北海道東部の小さな町で、過疎化と高齢化が進んでいる。自治体は財政をやりくりして医療や介護サービスに取り組み、とくに認知症対策では高齢者が安心して出歩ける「物忘れ散歩ができる町」をアピールしている。たまに帰省すると「仕事をやめたら戻って来いよ」と声をかけられる。

▶日本創成会議が高齢者の地方移住を提言した。東京圏では10年後に介護施設のベッドが13万人分不足する。施設を充実するには膨大な費用がかかる。東京一極集中を解消し、地方にとっても人口減少の歯止めになる。施設や人材に余裕がある「おすすめ」の場所として全国の41地域を候補に挙げた。

▶老後の田舎暮らしは悪くはない。が、生まれ育った町でもなかなか踏み切れない。まして縁もゆかりもないところでは…。地方から東京や大阪に出てきて第2の故郷になった人は多いだろう。選択肢として地方移住があってもいいが、ご都合主義で追い立てられるのはごめんだ。