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「誰とだって幸せになれるし、誰とだって不幸になれる。それは自分の思い一つ」。僧侶の法話に、うなずきながら聞き入る参加者-。
婚活中の男女に安心できる「出会いの場」を提供することが社会貢献になるとの思いから発案され、静岡県内で始まった婚活イベント「お寺で婚活 吉縁会」が5月、初めて東京都内で行われた。定員40人に11倍強の応募があり、抽選で140人に拡大しての開催とあって、参加者たちはそれぞれにご縁結びのひとときを満喫したようだ。(日野稚子)
「縁は自らおこすもの」
爽やかな晴天に恵まれた5月24日。東京都文京区の臨済宗妙心寺派の寺院「徳源院」に、婚活中の20代~40代男女が次々と集まってくる。男性はスーツ姿や、ジーンズにカジュアルシャツといった服装などで清潔感の漂う人が多く、女性はワンピース、ブラウスにスカートなど自分らしさを派手過ぎずに、といったコーディネートが目立った。
吉縁会は平成22年、妙心寺派僧侶の発案で静岡県浜松市で始まった婚活イベント。「お寺で費用をかけず、安心した出会いの場を提供する」のがコンセプトだ。同宗派の寺院を会場にして、座禅などの仏教体験を行った後、参加者同士が歓談。「いいな」と思った相手に自分の連絡先を伝えて後日の連絡を待つ。一般的な婚活イベントのように衆人環視の中でカップルを作り出すことはない。事前に無料の会員登録を行い、イベントの費用は当日行われる「仏教体験」に掛かる実費分(内容によって異なるが数千円程度)のみ。僧侶たちの人件費や会場費の負担はない。「社会貢献」が目的だからだ。会を通じて成婚した際に報告する義務はないが、これまでに80組から「報告」が届いている。