アジアの目

どうするロヒンギャ族難民 困惑するマレーシア、インドネシア 背後に難民ビジネス

豪州が先鞭

 ボートピープルが急増している背景には、彼らを狙った「難民ビジネス」が活発化していることがある。ロイター通信によると、タイの業者がミャンマーから人を受け入れ、企業などに送り込めば、1人当たり約1万バーツ(約3万6000円)のもうけになるという。密航船の通過や上陸について、お目こぼしを頼むため、軍や警察への賄賂は欠かせない。さらに船賃や労働ビザの取得費用、その他の書類の費用などを含めると、1人当たり数万バーツに上る。それだけの金が動く巨大ビジネスだ。

 最近、ボートピープルが急増したのも、タイやマレーシア当局が取り締まりを強化したことで、摘発を恐れた業者が難民らを置き去りにし、船から逃走したためだ。

 「難民ビジネスそのものを成り立たせないようにすべきだ。それには、船を海上で押さえ、上陸させずに送り返すことだ。われわれのやり方は間違っていない」として、各国の動きを歓迎するのが、オーストラリアのアボット首相だ。ボートピープル対策で先鞭を付けたとの自負があるようだ。

 オーストラリアは、ボートピープルの流入を防ぐため、海軍を動員。収容したすべてのボートピープルをナウル共和国に建てた収容施設に送る。審査後、本国送還か第三国への定住を選択させ、本土上陸を一切認めない。国際的な批判が強かったが、効果は上がっている。29日のバンコクでの会議にはオーストラリアからも出席する。

 ASEANは内政不干渉が原則だが、「難民ビジネス」のような国境を越えた犯罪が増えることは確実だ。原則にこだわらず、厳しい対応を取ることが迫られている。(編集委員 宮野弘之)