月刊誌「明日への選択」6月号が、朝日新聞の主筆・副社長から政界に転身して吉田茂内閣で副総理・官房長官を務め、首相の座まであと一歩のところで急逝した緒方竹虎氏の憲法改正論を紹介していた。
緒方氏が昭和30年に、母校の福岡県立修猷館高校の創立70周年に際して行った記念講演を取り上げたものだ。筆者も早速、講演録を読んでみたが、改憲にかける熱情が伝わってくる。
緒方氏は例えば、こう訴えている。
「強制の事実が露骨」
「憲法の改正の理由の一つは、あの憲法が占領軍によって強制されたというその事実があまりに露骨になっている」
「強制された筋道があまりにはっきりしている。これでは私は国民の独立の気迫というものが浮かんでまいらないと思う」