天皇陛下、宮中晩餐会でのお言葉全文

天皇陛下、宮中晩餐会でのお言葉全文
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 天皇、皇后両陛下は3日夜、皇居・宮殿で、国賓として来日したフィリピンのアキノ大統領を歓迎する宮中晩餐(ばんさん)会を催された。天皇陛下は乾杯に先立ち、両国間の歴史を振り返りながらスピーチをされた。陛下のお言葉の全文は以下の通り。

 この度、フィリピン共和国大統領ベニグノ・アキノ三世閣下が、国賓としてわが国を御訪問になりましたことに対し、心から歓迎の意を表します。ここに、今夕を共に過ごしますことを、誠に喜ばしく思います。

 貴国とわが国の人々の間には、16世紀中頃から交易を通じて交流が行われ、マニラには日本町もつくられました。しかし、17世紀に徳川幕府はキリスト教を禁じ、鎖国令を出して日本人の外国への渡航、外国人の入国を禁じました。そのため、キリシタン大名であった高山右近と内藤忠俊は、徳川幕府により、日本人キリスト教徒とともにマニラに追放されました。本年は、高山右近がマニラで病没してから、ちょうど400年に当たります。わが国は19世紀半ば、鎖国政策を改め、諸外国と国交を開くことになりました。20世紀初頭には、多くのわが国の人々が貴国に渡り、両国民の間の交流は盛んになりました。

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