向き合う力

文美月(8)過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる

自分が力を発揮できる分野を探す

 確かに、語学ができると世界が大きく広がるのは、今とても実感しています。英語の重要性もひしひしと感じます。ただ、この時点では、英語は私の「強み」が発揮できる分野ではありませんでした。会話もままならない状態だったため、スタートが遅くない分野で頑張ることにしたのです。

 いろいろ考えを巡らせているうちに、生意気にもこの時、本気で思ったことがあります。それは「英語が得意な人を雇う実力を持った人間になりたい」ということです。

 「得意なことは得意な人に任せよう」「自分が力を発揮できる分野を探そう」

 これはいまの仕事への姿勢にもつながっている考え方です。

 もっとも、社会人になって20年以上経(た)っても、数字は苦手。税理士も会計士も向いていなかったようですが、ダブルスクール生活によって「主体性」のようなものが身についたのも事実です。これまでは父の助言で進路を選択してきましたが、専門学校に通うと決めた日から、「自分の意思で全てを決め、あとで父に報告する」という順になったからです。

父が植え付けてくれた「自らと向き合う時間」

 1990年代の在日コリアンには、まだまだ大企業をはじめ就職に関してのハードルが高く、医者や薬剤師、弁護士、会計士など専門性の高い職業を選ぶ人が多くいました。家業を継ぐ人ももちろん少なくありませんでした。今も資格の世界に進む人が多い傾向は残っていますが、裏を返せば、就職に大きな壁があるからといえます。

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