NHKが、本部に当たる東京都渋谷区の放送センターを現在の敷地内に建て替える方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。NHKは同区の神宮前地区への移転を視野に入れ、土地所有者の東京都と交渉していたが、移転には多額の費用が必要になるため、断念する。
NHKは外部の代替施設を利用しながら段階的に建て替えを進めることを検討しており、今後、具体的な工程をまとめる。これまでは平成37年度の新センター運用開始を目指し、26年度末時点で約1千億円を積み立てていた。
放送センターは放送設備やスタジオを有するNHKの番組制作の拠点で、現センターの本館は昭和47年に完成。建物の老朽化が進み、NHKは平成23年度から建て替えを検討していた。新センターでは免震機能を強化するほか、超高精細な「8K」などの次世代放送に対応させる予定。