当時婚姻関係にあった日本人女性に娘を連れ去られたとする米国人男性(47)が1日、娘の養育権と身柄引き渡しを求める申立書を東京家裁に送付したことが分かった。女性は離婚後に死去、娘は女性方の祖母が後見人として日本で養育している。専門家によると、国際結婚した親が養育権を求める申し立てで、子供の親権者が不存在のケースは異例。子供の連れ去りに厳しい米国との国際問題に発展する可能性もある。
男性の日本側弁護士によると、男性が日本人女性と結婚後、数年で娘が誕生。日本国内で暮らしていた時期に女性が男性に無断で娘を連れて国内の実家に戻った。平成18年に離婚が成立し、女性が娘の親権者になったが、翌年に自殺。娘は親権者を失い、女性方の祖母が娘の後見人となって日本で育てている。
男性は「隣人が電話で『引っ越すのか』と聞いてきた。すぐに帰宅したが、妻が娘を連れていなくなっていた」と連れ去りの状況を話す。男性は米国でも娘の養育権などを求めて提訴したが、「米国に司法権がない」として認められなかった。連れ去り後、21年までに2回しか娘と会っていないという。