第30回「正論大賞」(フジサンケイグループ主催)に輝いた東京基督教大学教授の西岡力(つとむ)氏(59)の受賞記念東京講演会が29日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザで行われた。北朝鮮による拉致問題に取り組む西岡氏は、聴衆約600人に「日本は、北が一部の拉致被害者の生存を認めるという線で妥協してはならない。全被害者の一括帰国、それなしに金正恩政権の未来はないと突き付けるべきだ」と訴えた。
講演テーマは「朝鮮半島の近未来と日本」。西岡氏は、北朝鮮が7月に何らかの回答をする可能性を指摘。被害者の一括帰国には「北朝鮮へ流れる外貨を止めることだ」と経済的圧力の大切さを訴えた。
産経新聞の熊坂隆光社長は「西岡先生は慰安婦問題で朝日新聞の虚偽報道に疑義を唱えてきた」と述べ、正論大賞を同時受賞し、4月に東京記念講演をした現代史家の秦郁彦氏(82)とともに功績をたたえた。会場には拉致被害者、田口八重子さん(59)=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(76)と横田めぐみさん(50)=同(13)=の父、滋さん(82)と母、早紀江さん(79)も駆けつけた。