論戦安保法制

退席の野党に自民党議員「仕事しろよ!」 TV中継ない日狙って審議止める?

 しかし、浜田靖一委員長(自民)は首をタテに振らず、午後1時の再開直後に出席していた野党は、自民党議員の「仕事しろよ!」との怒号を浴びながら再び退席。結局散会となった。

 民主党の長妻昭理事は記者団に「災害もあるので散会したいと言ったが、浜田氏が継続したいと言った」と説明した。自民党の佐藤勉国対委員長は「岸田氏はまじめに答弁した」と記者団に述べた上で「自分の考えにそぐわないといって国会を止めるのは、いかがか」と野党を批判した。

 双方が正当性を強調するが、民主党の退席には伏線があった。高木義明国対委員長は審議が止まる前の記者会見で「今日も審議の妨げになることがあれば、時間を止めて対応を迫る」と退席を予告していたのだ。

 民主党は28日の特別委の安倍晋三首相のやじに反発しつつ、出席を続けた。同日はNHKが全国中継を実施。中継は野党の主張を伝える貴重な機会でもある。審議が止まった29日は中継がなく、野党は中継がある6月1日の集中審議には出席する方針だ。このため、与党には「民主党は最初から中継のない日に審議を止めるつもりだったのだろう」(自民党国対幹部)との疑念が広がっている。

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