伝統の英国陶器、魅了する「温かみ」 スリップウェア再興、クライヴ・ボウエンさん

 「その源流は13、14世紀にさかのぼりますが、工業化が進むと大量生産品に押され、20世紀初めには衰退しました。1920年に日本から帰国したバーナード・リーチが再評価し、弟子のマイケル・カーデューがスリップウェアに取り組みますが、40年代にはより需要の高いストーンウェア=●(火の右に石)器(せっき)=に切り替えてしまいました」

 カーデューの初期作品に魅せられたボウエンさんが、伝統復活へ自身の工房を開いたのは71年。「ちょうどその頃、英訳された(民芸運動指導者の)柳宗悦(むねよし)の著書を読み、日本の工人らもスリップウェアに注目していたのかと、うれしくなったのを覚えています」

 一度途絶えた技術の再興は難しくなかったのか。「いや、材料の赤土は変わらず地元にありますから」とボウエンさん。日本式の穴窯を使う陶芸家が多いなか、英国伝統のボトル型薪窯を自ら築き、最初は試行錯誤の連続だったという。やがて90年代に入ると伝統を見直す風潮から、スリップウェア人気も復活。近年若い作り手が増えている。

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