浪速風

「無事之名馬」の祭典

第81回日本ダービーで優勝した(2)ワンアンドオンリー=平成26年6月1日、東京競馬場(佐藤雄彦撮影)
第81回日本ダービーで優勝した(2)ワンアンドオンリー=平成26年6月1日、東京競馬場(佐藤雄彦撮影)

「無事之名馬」は菊池寛の造語とされる。色紙を差し出されて、臨済禅師の語録にある「無事之貴人」をもじった。禅語の「無事」は悟りに通じる安らぎの境地だが、競馬好きで馬主でもあった菊池は「自分の馬が無事でレースに走つてゐてくれるだけでも嬉しいという気持になる」と書いている。

▶「競馬の祭典」と呼ばれる日本ダービーが31日に行われる。毎年約1万頭が誕生する競走馬のうち、生涯一度の晴れ舞台に立てるのはわずか18頭である。無事に加えて、収得賞金額の多い順、トライアルレースの上位馬に出走権が与えられる。そして、勝つのは「最も運の強い馬」という。

▶先日、GIレースでは史上最高の100円が2070万円になる超万馬券が出た。今年のダービーは一獲千金の夢が沸騰するだろう。菊池は「我が馬券哲学」としてこう書く。「堅き本命を取り、不確かなる本命を避け、たしかなる穴を取る。これ名人の域なれども、容易に達しがたし」