静岡市長選違反 高田氏兄が決定権、関係者「誰も意見できず」

 静岡市長選で落選した元薬局チェーン役員、高田都子(ともこ)氏の陣営幹部4人が公職選挙法違反(利害誘導など)の疑いで逮捕された事件で、都子氏の実兄、高田隆右容疑者(66)が、資金調達や最終的な意思決定をしていたことが27日、元陣営関係者らへの取材で分かった。4人はいずれも容疑を否認。県警は、高田容疑者が選挙プランナーとともに陣営を指揮していたとみて、さらに追及していく方針だ。

 捜査関係者によると、選対会議には、選対本部長の高田容疑者、選挙プランナーの酒井剛容疑者(63)、会計責任者の田村幸洋容疑者(66)、静岡市議の宮沢圭輔容疑者(36)が参加し、業者への依頼を含む活動戦略を協議。4人は共謀して、告示前の3月上旬から中旬、都子氏を当選させるため、宮沢容疑者を介して広告代理店にビラ配布を依頼し、報酬として現金五百数十万円を支払うと持ち掛け、選挙運動をさせた疑いが持たれている。

 選対会議に参加していた元陣営幹部は、「素人集団だったので、プランナーがこうしたほうがいいといえば、それに従う感じだった。もちろん最終的な決定権は隆右さんにあった」と明かす。会議のメンバーは高田容疑者が役員を務めていた「ウエルシア薬局」の関係者が大半を占めていたといい、「隆右さんからすれば部下ばっかり。決定事項に意見する人は誰一人いなかった」(元陣営幹部)と、事実上、高田、酒井両容疑者が方針を決めていたとの見方を示した。

 選挙に使う資金について、別の元陣営関係者は「お金の話はほとんど出なかったと思うが、多額の資金を動かせるのは隆右さんしかいない」と話す。

 これまでの調べでは、ビラ配りなどの報酬として、都子氏を支援する政治団体「元気で明るい静岡をつくる会」の名義で、約540万円が広告代理業者の口座に振り込まれている。県警はこの日も、ウエルシア薬局の事業所などを家宅捜索し、関係書類を押収。同団体の代表だった高田容疑者が、田村容疑者に振り込みを指示したとみて裏付け捜査を進めている。

 一方、逮捕された4人は「違法性はなく、政治活動だった」などと容疑を否認している。ビラを作成したという酒井容疑者は、逮捕前に行った会見で「ビラは選挙違反には当たらず、捜査は不当だ」と主張していた。

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