世界王室物語-ノブレス・オブリージュ

モロッコ 砂漠の国の美しき王妃 関東学院大教授・君塚直隆

 2013年4月、オランダの首都アムステルダムでウィレム・アレクサンダー新国王の即位式が挙行された。英国のチャールズ皇太子夫妻や日本の徳仁皇太子殿下と雅子妃殿下ら、世界各地から要人たちがお祝いに駆けつけてきた。軍服や燕尾(えんび)服に勲章を着用した各国からの王侯らが居並ぶ華やかな式典のなかで、ひときわ異彩を放ったのが、深緑のベルベット地に鮮やかな花柄の刺繍(ししゅう)がほどこされたロングドレスに身を包む1人の女性。モロッコのラーラ・サルマ王妃である。王妃は、最上席に着くモナコのアルベール公に次ぐ席次を与えられた。

 モロッコ国王ムハンマド6世の妃ラーラ・サルマは、大学教授の娘に生まれ、母は彼女が3歳のときに他界した。カサブランカでコンピューター・エンジニアとして働いていた彼女は、やがてムハンマド国王に見初められ、2002年3月に結婚した。

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