豚レバーなど豚の内臓や肉の生食について、厚生労働省の審議会は27日、食中毒やE型肝炎発症のリスクが高いとして、飲食店での提供を禁止することを正式に決めた。食品衛生法に基づく規格基準を改正する。生食の提供が禁止されるのは牛レバーに続き2例目で、違反した場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金となる。
厚労省によると、豚の内臓や血液はE型肝炎ウイルスや寄生虫などに汚染されていることが多い。牛肉などに比べ内部まで汚染されるため、安全に食べるには十分な加熱が必要となる。過去10年間に、豚レバーの生食が原因の食中毒で32人の患者が出ているほか、豚レバーが原因とみられるE型肝炎で死亡例も報告されている。
国立感染症研究所によると、E型肝炎の患者は昨年1年間に146人と過去最多。E型肝炎は潜伏期間が約6週間と長く感染源の特定は難しいが、過去3年間で原因が特定された中では豚が感染源となった例がもっとも多い。