開発ヒストリー

アフリカの砂漠を農地に変える「奇跡の繊維」…世界に誇る日本「繊維テクノロジー」が南アで挑む

経産省の補助事業にも採択

 さらに、東レの生分解性のポリ乳酸繊維を採用した。ポリ乳酸繊維はトウモロコシのでんぷんから生み出され、微生物によって水と二酸化炭素に分解される「生分解性」の特徴を持つ。生ごみと一緒に捨てられる台所用の水切りネットなどに使用されてきたが、「最適な用途を探索していた」(佐々木室長)。そんなとき約40年来の取引があるミツカワから「生分解性繊維を探している」と相談され、ポリ乳酸繊維に白羽の矢が立った。

 東レとミツカワは、土が編み目からこぼれず、しかも通気性のある筒を目指した。そして、湯で繊維を縮めるなど試行錯誤を重ねてロールプランターを完成させた。

 砂漠農地化の取り組みは、効率的に水を与える点滴方式の潅漑(かんがい)装置を手掛けるネタフィムジャパンも加え、3社連合に発展。12年に経済産業省の補助事業に採択されたほか、国連開発計画(UNDP)の支援もあり、加速していった。

会員限定記事会員サービス詳細