開発ヒストリー

アフリカの砂漠を農地に変える「奇跡の繊維」…世界に誇る日本「繊維テクノロジー」が南アで挑む

 鳥取大と協力するとともに約1年かけて調査し、目をつけたのが砂漠緑化法の1つである「草方格」だ。砂漠に低い柵を格子状に配置して風による砂の移動を防ぎ、自然に飛来する種が定着することで植物が育つ環境をつくる。松本社長は05年から、中国の内モンゴル自治区で実証に取り組んだ。

 ただ、自然に飛来する種を育てる方法は緑化に5、6年と長期間かかるケースが多い。そこで松本社長は砂漠に設置する柵に砂の移動を防ぐだけでなく、植物を育てる土壌としての役割も持たせることを発想。ブルーシートを筒状に縫製して中に土を入れるだけの従来の柵に替え、細い糸を直径約10センチの筒状に編み、中に培養土を注入すれば、植物が根を生やすことができると考えた。

 この技術の鍵となったのがミツカワの「丸編み」だ。丸編みはスポーツウエアや湿布薬の基布に使われており、他の布に比べて伸び縮みしやすい。丸編みで通気性を確保したほか、培養土に埋めた種が発芽する際に穴を開けるなどの作業も不要になった。

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